こんにちは。
カラービジネスコンサルタントの武田みはるです。

別れ路に添えし小櫛をかごとにて
 はるけき仲と神やいさめし


弥生3月。
先日、3年ぶりに京都三大祭である
葵祭が開催されました。



テレビ画面に映った
藤の花で飾られた牛車や
輿に乗った斎王代の女性の
雅な姿を見て、
源氏物語を思い起こしました。

源氏物語で葵祭というと、
光源氏の歳上の恋人・六条御息所と
正妻の葵の上の
場所取りの車争いのシーンが有名です。
(第九帖 葵)

源氏物語車争い

この車争いに負けて
辱めを受けた六条御息所は
その後、
生霊となって葵上を呪い殺してしまいます。
六条御息所はその後も生霊として
光源氏の女人の枕元に現れる
恐ろしーい女性ですが、
私が葵祭で思い出すのは、
彼女の娘です。

のちに秋好中宮と呼ばれる娘は、
母とは違って、
慎ましやかで、おっとりした華奢な女性。

彼女が伊勢神宮の斎王代に選ばれて伊勢へ下る際に、
光源氏の腹違いの兄・朱雀帝(すざくてい)が
斎王代の姿を見て、
「なんで愛らしい姫なんだ!」と見初めるわけです。

時は流れ、
母の六条御息所が亡くなり(まあそのあともたびたび生霊として出てきますけど(笑)
身寄りのなくなった姫を
朱雀帝は宮中に妾の一人として要望します。

「娘を男女の争いの中に入れないで」と
六条御息所が遺言を残していたこともあり、
光源氏は継母の藤壺と画策して、
自分の養女として
今上帝・冷泉帝(光源氏と藤壺の不義の子)の妃にさせます。
このあたりの二人の結託はやるな~と思わずにいられません。

結局、見初めた姫を得られなかった朱雀帝は、
彼女が冷泉帝に入内するときに
冒頭の和歌を詠んで贈るのです。(第17帖・絵合)

別れ路に添えし小櫛をかごとにて
 はるけき仲と神やいさめし

(伊勢への別れの儀式に贈った黄楊の櫛
  あの櫛にかこつけて、遠い仲であれと神が仰っているのでしょう)


私は、源氏物語の中でこの歌が最も好きです。

想い人を得られなかった男の未練が
切ないまでに、にじみ出ているではないですか!
しかも、そのへんの街の男でなく、
前帝の朱雀帝、光源氏の腹違いの兄ですよ。

この朱雀帝は、
帝と時の権力者・右大臣の長女(弘徽殿の女御)との間に生まれた
プリンスです。
ルックス、頭脳、和歌、雅楽、人間性
すべてにおいてパーフェクトなプリンスなんですよ。

ですが!(←ココ、岸田首相並みに強調)
後から生まれてきた弟(光源氏)が
120%だったわけです。


自分は非の打ちどころのないプリンスとして生まれ育ったのに、
後から生まれてきた弟がすべてにおいて
上回ってしまう。
そんな兄の悲哀を背負っているのが、
朱雀帝なのです。

この朱雀帝は
好きな女性もずっと
弟にしてやられっぱなしでしたが、
晩年にちょっとづつ仕返しをしていくんですね。
しかも「倍返し」のようなあからさまではなく、
取られた分を少し取り戻すかのように
知的にやり返すところがニクイ。
源氏物語の殿方の中で、
私が最も人間として魅力を感じるのは、
この朱雀帝です。


葵祭の斎王代を見て、
朱雀帝が詠んだ歌を思い出し、
少しだけ雅な気持ちになりました。

最後までお読みいただき、
ありがとうございます。


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